6/29 「アイヌ女性として生まれること アイヌ女性として生きること」


性差別撤廃部会では6月29日、今年の連続講座「だれいき!マイノリティ女性からみる日本社会~アイヌ、琉球・沖縄、部落、在日朝鮮人~」の第二回を行いました。今回はアイヌ女性の宇梶静江さんをお招きして、これまで宇梶さんがアイヌ女性としてどのように生きてこられたのかについてお話をうかがいました。

 以下、当日の簡単な報告と参加者の感想、次回の講座案内を共有させていただきます。ぜひご一読いただければ幸いです!

 

【報 告】

 

 今回の講座には合計28名の方々が参加してくださいました。うち女性参加者が9割で男性参加者は1割、10~30代参加者と40代以上参加者が半々でした。在日朝鮮人参加者が半数で、その他はアイヌや日本の方が参加してくださいました。

 

 宇梶さんはまず、「あなたの心にそっと触れさせていただきます」という意味の「イランカラプテ」というアイヌ語の挨拶でお話を始められました。宇梶さんは1933年生まれで現在84歳。戦争中は女性が子どもをたくさんつくらされて、男が生まれたら兵隊に送り、女が生まれたら看護婦にさせる、そういう時代に生まれて育ってきたし、これまで「女のくせに」「女だから」という言葉を聞かせられながら、女性差別を嫌というほど受けてきた、と話されました。

 

 アイヌは文字を持っておらず、和人に土地を奪われ、言葉を奪われたが、自分はどうしてアイヌが貧しいのか、どうして差別されるのかをわからなかった、知りたくても知る術ができず心もとなかった、「差別が何かを知るのに84年かかった」と話されました。また、幼い頃に朝鮮人の青年たちが北海道にしょっぴかれてやって来て、タコ部屋に入れられ逃げられないようにされていたこと、朝鮮の子どもたちをお昼に呼んでふかしたじゃがいもを一緒に食べたことなどをエピソードとしてお話くださいました。

 

 アイヌへの蔑称である「毛人」という言葉で差別されてきたがゆえのコンプレックスと、アイヌの青年と結婚しても子どもにまた苦しい思いをさせてしまうとの思いゆえ、上京するまで結婚願望もなかったという宇梶さん。アイヌに対する就職差別のために上京した後は、和人の社会での生活に疲れ、東京にいるアイヌ同士が集まって支え合ったり先祖供養をする場をつくりたいと考え、その思いを朝日新聞に「同胞よ、手をつなごう」と投稿したのが30代後半のときだったそうです。

 

 そして60歳を過ぎて北海道の刺繍の勉強を始め、和人による布切れの展覧会を見たのがきっかけで、布で絵を描き、自分の叙事詩をつくりたいと考えたそうです。アイヌにとっては村の守り神であるふくろうをモチーフにした「赤い目のふくろう」という名の布絵をつくり、日本政府に対して「アイヌは怒っている」ということを伝えたかったと話されました。

 

 お話の後に行われた質疑応答の中では、「見えない、知らないから、差別されてもたたかえないし、弱くさせられる。自分を知ることが強さになる」と話されながら、アイヌにはとにかく仕事や経済力が必要で、河川や海を取り戻して鮭を取る権利などを獲得し、アイヌたちがいきいきと生きていけるようにしたい、と訴えられました。

 

 なお、下記のページでは過去に行われた宇梶さんへのインタビュー記事がお読みになれます。

【アイヌとして生まれること アイヌとして生きること】

http://www.jinken.ne.jp/flat_now/kyousei/2005/03/18/1429.html

 

【参加者の感想】

 

◯人生の大先輩の温かいパワーに感銘を受けました。アイヌを朝鮮人と置きかえても通じる話に改めて差別の構造の普遍性を整理して考えてみたいです。

 

◯日本にいながら、アイヌの問題について知る機会がまったくなかったため、これからより深く知るためのいいきっかけになる講演でした。そのなかでも特に、アイヌの伝統的生業とつながるような「仕事」の創出を通して、経済的安定だけではなく、文化的・民族的な誇りや知識を得ていくというアイデアに感銘を受けました。

 

◯「知らないこと」で弱くさせられる。自分を説明できることがどれだけ大切か考えさせられました。朝鮮学校の存在や在日朝鮮人の輪の大切さも改めて感じさせられました。今後のアイヌの人たちの運動に連帯したいです。

 

◯アイヌの現状と在日朝鮮人の現状とはとてもよく似た部分があると思いました。「まず知ること、自分が見えていることが重要、見えないと主張することができない」という言葉にはハッとしました。

 

◯宇梶さんの「差別される実態を知るまで84年かかった」、たとえ文字を学んでも「見えない社会を生きてきた」という言葉、とても残っています。和人による虐殺を経験し、耕した土地を追われ、その歴史もうやむやにされて差別されてきたこと。それを見つめ、前向きに生きようとしても日本政府や日本人はとりあおうとしない悔しさを想像します。そんななかでも活動をされたり、ご自身の叙事詩を書かれたり、奪われた尊厳を取り戻す試みに感動しました。

 

◯今回初めて参加しましたが、講師の方のみならず、質問された方々が、置かれた立場で頑張っている姿を力強く感じました。

 

【次回講座のご案内~ぜひご参加ください!】

 

在日本朝鮮人人権協会 性差別撤廃部会2017年連続講座「だれいき!マイノリティ女性からみる日本社会~アイヌ、琉球・沖縄、部落、在日朝鮮人~」

 

第3回 ‪「沖縄フェミニズムを育む‬
‪〜沖縄×女性×セクシュアルマイノリティ〜」‬

 

◆日時 2017年9月14日(木)18:30~(受付18:00より)

 

◆場所 上野区民館301集会室

-住所 東京都台東区池之端1丁目1番12号(東天紅上野店近く)

-電話 03-5815-8612

-アクセス 地下鉄千代田線湯島駅から徒歩2分

-地図 https://www.city.taito.lg.jp/index/shisetsu/hall/kuminkan/kumikan3.html

 

◆講師 玉城福子さん

~1985年、沖縄県那覇市生まれ。広島市立大学卒業後、大阪大学大学院へ進学。専門は社会学。修士号(2010年)/博士号(2016年)修得。現在、沖縄大学・沖縄国際大学にて非常勤講師を務める。ジェンダーや植民地主義の問題に特に関心があり、日本軍「慰安婦」問題、在沖米軍基地問題などについて研究や活動を行っている。2012年に沖縄に帰ってからは、性的マイノリティのピアグループ活動やイベントに関わるようになった。みかん大好き。どちらかというと猫派。

 主な論文に「沖縄県平和祈年資料館展示改ざん事件の再考」(『女性・戦争・人権』(13)pp52-74、2014年)、「フェミニストの視点に立つ県外移設論に向けて――複数のポジショナリティへの応答」(『状況』pp110-124、2015年)、「移動がくれた出会い」(『家族写真をめぐる私たちの歴史』pp206-211、2016年。

 

◆要参加申込

☆参加申込先:hurak.sccp@gmail.comまで「9/14だれいき講座参加希望」の題で①お名前、②ご所属(ある場合)を明記の上、お申込みください。

 

◆参加費 学生・人権協会会員500円 非会員800円

 

◆主催 在日本朝鮮人人権協会 性差別撤廃部会

〒110-0016 東京都台東区台東3-41-10-3F

TEL:03-3837-2820  FAX:03-5818-5429

MAIL: hurak.sccp@gmail.com

FB:  https://www.facebook.com/HURAK.SCCP/

ウェブサイト「だれいき」 http://dareiki.org

 


 

 せいさべつてっぱいぶかいでは 6がつ29にち、ことしの れんぞくこうざ「だれいき!マイノリティじょせいからみる にほんしゃかい~アイヌ、りゅうきゅう・おきなわ、ぶらく、ざいにちちょうせんじん~」の だいにかいを おこないました。こんかいは アイヌじょせいの うかじしずえさんを おまねきして、これまで うかじさんが アイヌじょせいとして どのように いきてこられたのかについて おはなしを うかがいました。

 いか、とうじつの かんたんな ほうこくと さんかしゃの かんそう、じかいの こうざあんないを きょうゆうさせていただきます。ぜひごいちどくいただければ さいわいです!

 

【ほうこく】

 

 こんかいの こうざには ごうけい28めいの かたがたが さんかしてくださいました。うち じょせいさんかしゃが 9わりで だんせいさんかしゃは1わり、10~30だいさんかしゃと 40だいいじょうさんかしゃが はんはんでした。ざいにちちょうせんじんさんかしゃが はんすうで、そのたはアイヌや にほんのかたが さんかしてくださいました。

 

 うかじさんはまず、「あなたのこころに そっと はいらせていただきます」といういみの「イランカラプテ」というアイヌごの あいさつで おはなしを はじめられました。うかじさんは 1933ねんうまれで げんざい84さい。せんそうちゅうは じょせいがこどもを たくさんつくらされて、おとこがうまれたら へいたいにおくり、おんながうまれたら かんごふにさせる、そういうじだいにうまれて そだってきたし、これまで「おんなのくせに」「おんなだから」ということばを きかせられながら、じょせいさべつをいやというほど うけてきた、とはなされました。

 

 アイヌは もじをもっておらず、わじんに とちをうばわれ、ことばをうばわれたが、じぶんはどうしてアイヌがまずしいのか、どうしてさべつされるのかをわからなかった、しりたくても しるすべができず こころもとなかった、「さべつが なにかをしるのに 84ねんかかった」とはなされました。また、おさないころに ちょうせんじんの せいねんたちが ほっかいどうにしょっぴかれて やってきて、タコべやにいれられ にげられないように されていたこと、ちょうせんの こどもたちを おひるによんで ふかしたじゃがいもを いっしょにたべたことなどを エピソードとして おはなしくださいました。

 

 アイヌへの べっしょうである「けじん」ということばで さべつされてきたがゆえの コンプレックスと、アイヌのせいねんと けっこんしても こどもに またくるしいおもいをさせてしまうとのおもいゆえ、じょうきょうするまで けっこんがんぼうも なかったといううかじさん。アイヌに対する しゅうしょくさべつのために じょうきょうしたあとは、わじんのしゃかいでの せいかつにつかれ、とうきょうにいる アイヌどうしがあつまって ささえあったり せんぞくようをするばを つくりたいとかんがえ、そのおもいを あさひしんぶんに「どうほうよ、てをつなごう」ととうこうしたのが 30だいこうはんのときだったそうです。

 

 そして60さいをすぎて ほっかいどうの ししゅうの べんきょうをはじめ、わじんによる ぬのきれの てんらんかいを みたのがきっかけで、ぬのでえをかき、じぶんのじょじしをつくりたいと かんがえたそうです。アイヌにとっては むらのまもりがみである ふくろうをモチーフにした「あかいめのふくろう」というなの ぬのえをつくり、にほんせいふに たいして「アイヌはおこっている」ということを つたえたかったと はなされました。

 

 おはなしのあとに おこなわれた しつぎおうとうのなかでは、「みえない、しらないから、さべつされても たたかえないし、よわく させられる。じぶんを しることが つよさになる」とはなされながら、アイヌにはとにかく しごとや けいざいりょくが ひつようで、かせんや うみを とりもどして しゃけを とる けんりなどを かくとくし、アイヌたちが いきいきと いきていけるようにしたい、とうったえられました。

 

 なお、かきのページでは かこにおこなわれた うかじさんへのインタビューきじが およみになれます。

アイヌとしてうまれること アイヌとしていきること

 

【さんかしゃの かんそう】

 

◯じんせいの だいせんぱいの あたたかいパワーに かんめいをうけました。アイヌを ちょうせんじんと おきかえても つうじるはなしに あらためて さべつのこうぞうの ふへんせいを せいりして かんがえてみたいです。

 

◯にほんにいながら、アイヌのもんだいについて しるきかいが まったくなかったため、これからよりふかく しるための いいきっかけになる こうえんでした。そのなかでもとくに、アイヌのでんとうてきせいぎょうと つながるような「しごと」のそうしゅつを とおして、けいざいてきあんていだけではなく、ぶんかてき・みんぞくてきな ほこりやちしきを えていくという アイデアに かんめいをうけました。

 

◯「しらないこと」でよわくさせられる。じぶんをせつめいできることが どれだけ たいせつか かんがえさせられました。ちょうせんがっこうの そんざいや ざいにちちょうせんじんのわの たいせつさも あらためて かんじさせられました。こんごのアイヌの ひとたちのうんどうに れんたいしたいです。

 

◯アイヌのげんじょうと ざいにちちょうせんじんの げんじょうとはとてもよくにたぶぶんがあると おもいました。「まずしること、じぶんがみえていることがじゅうよう、みえないと しゅちょうすることができない」ということばにはハッとしました。

 

◯うかじさんの「さべつされる じったいをしるまで84ねんかかった」、たとえもじを まなんでも「みえないしゃかいをいきてきた」ということば、とてものこっています。わじんによる ぎゃくさつをけいけんし、たがやしたとちをおわれ、そのれきしも うやむやにされて さべつされてきたこと。それをみつめ、まえむにいきようとしても にほんせいふや にほんじんは とりあおうとしないくやしさを そうぞうします。そんななかでも かつどうをされたり、ごじしんのじょじしをか かれたり、うばわれたそんげんを とりもどすこころみに かんどうしました。

 

◯こんかい はじめてさんかしましたが、こうしのかたのみならず、しつもんされたかたがたが、おかれたたちばで がんばっているすがたを ちからづよくかんじました。

 

【じかいこうざのごあんない~ぜひごさんかください!】

 

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ざいにほんちょうせんじんじんけんきょうかい せいさべつてっぱいぶかい2017ねんれんぞくこうざ「だれいき!マイノリティじょせいからみるにほんしゃかい~アイヌ、りゅうきゅう・おきなわ、ぶらく、ざいにちちょうせんじん~」

だい3かい  「おきなわフェミニズムをはぐくむ〜おきなわ×じょせい×セクシュアルマイノリティ〜」

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◆にちじ 2017ねん9がつ14にち(もく)18:30~(うけつけ18:00より)

◆ばしょ うえのくみんかん301しゅうかいしつ

-じゅうしょ とうきょうとたいとうくいけのはた1ちょうめ1ばん12ごう(とうてんこううえのてんちかく)

-でんわ 03-5815-8612

◆こうし たましろふくこさん

~1985ねん、おきなわけんなはしうまれ。ひろしましりつだいがくそつぎょうご、おおさかだいがくだいがくいんへしんがく。せんもんはしゃかいがく。しゅうしごう(2010ねん)/はかせごう(2016ねん)しゅうとく。げんざい、おきなわだいがく・おきなわこくさいだいがくにて ひじょうきんこうしをつとめる。ジェンダーや しょくみんちしゅぎのもんだいに とくにかんしんがあり、にほんぐん「いあんふ」もんだい、ざいちゅうべいぐんきちもんだいなどについて けんきゅうや かつどうを おこなっている。2012ねんに おきなわにかえってからは、せいてきマイノリティのピアグループかつどうやイ ベントにかかわるようになった。みかんだいすき。どちらかというとねこは。

 おもなろんぶんに「おきなわけんへいわきねんしりょうかんてんじかいざんじけんの さいこう」(『じょせい・せんそう・じんけん』(13)pp52-74、2014ねん)、「フェミニストのしてんにたつ けんがいいせつろんにむけて――ふくすうのポジショナリティへの おうとう」(『じょうきょう』pp110-124、2015ねん)、「いどうが くれたであい」(『かぞくしゃしんを めぐるわたしたちのれきし』pp206-211、2016ねん。

◆ようさんかもうしこみ

☆さんかもうしこみさき:hurak.sccp@gmail.comまで①おなまえ、②ごしょぞく(あるばあい)をめいきのうえ、おもうしこみください。

◆さんかひ がくせい・じんけんきょうかいかいいん500えん ひかいいん800えん

◆しゅさい  ざいにほんちょうせんじんじんけんきょうかい せいさべつてっぱいぶかい

〒110-0016 とうきょうとたいとうくたいとう3-41-10-3F

TEL:03-3837-2820  FAX:03-5818-5429

MAIL: hurak.sccp@gmail.com

FB:  https://www.facebook.com/HURAK.SCCP/

ウェブサイト「だれいき」 http://dareiki.org