【投稿】千葉初中で「性の多様性」についての授業

さまざまな価値観、尊重を

1月12日、在日本朝鮮人人権協会の性差別撤廃部会から康仙華さんと李イスルさんが千葉初中に来校し、中級部生たちを対象に特別授業を行った。授業のテーマは「性の多様性」について。

人間は男性か女性かだけではなく、ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーなど多様な人がいること、さらにはその中にすら属さない人もいるということを認識するところから始まり、その人たちの多くはセクシャルマイノリティーであるがゆえに、自らの「性」を家族にも、友達にも打ち明けられず、悩み、苦しんでいるということを生徒たちは授業を通して学んだ。

1月12日に行われた特別授業のようす

その上で講師たちは、生徒たちにセクシャルマイノリティーと呼ばれる人たちについてどう考えているか、身近な人がLGBTであることを打ち明けたらどんな言葉をかけるかということを問いかけた。

生徒たちにとって、セクシャルマイノリティーの問題は、自らがそうでない限り、普段の生活で意識することはほとんど無かっただろう。

しかし、何気ない言動が自分の周りの人の心を傷つけることもありうるし、それは「意識していなかった」「知らなかった」という言葉で済まされていいことではない。

「大多数と違う」。それだけでその人を傷つけることになるなら、それは紛れもない差別である。

差別こそ、私たち在日朝鮮人が最も許せないものだ。

千葉初中で「性の多様性」に関する特別授業が行われた

私たち在日朝鮮人は、日本社会の中でさまざまな差別にあい、そのたびに闘ってきた。

だからこそ、その私たちがたとえ無意識だとしても差別することは絶対にあってはならない。今回、セクシャルマイノリティーについて学べたことは、生徒たちにとって他者との違いを認め、お互いを尊重する精神を育む一つのきっかけになった。

生徒たちはこれからの人生で多くの人と出会い、自分と他者とのさまざまな違いを知ることになるであろう。

そのときに、偏見にしばられず、多様な価値観を認める人間に育って欲しいと切に願う。

(朴勇豪、千葉初中教員)